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ちのかんげん・知の還元

東大で生み出された研究成果を、東大の中だけにとどめておくのはもったいない。社会に還元して有効に活用していくべきだ、という考え方。ただ、どんなものでも還元できるかというとそうでもない。役に立たないもの、いらないものもある。たとえば合成するのが非常に難しい化学物質を世界で初めてつくったとする。でも空気に触れるとすぐ分解するなら、実社会で使いようがないのだ。学問的には重要な知見でも、日常生活ではそれがどうしたという感覚。基礎研究とは概して短期的には無用の長物しか生み出し得ない。これをいかに有益に用いるかを考えることも、研究者の使命だ。

しかしながら、知の還元というスローガンが掲げられていること自体が嘆かわしいとも言える。なぜならば、本来大学とは社会との関わりの中で存在すべきものであるからだ。大学設立の当初の目的は、有用な人材や知識を育成・集積して社会発展に寄与する事なのである。それが時代の変遷とともに形骸化して大学人のための大学に成り下がってしまった。そこでそもそものめあてである社会貢献という復古概念が滲出してきたのだが、殊更に叫ばなくても自然に還元して不言実行といきたいものである。